「濃いお茶を入れたいんですが、どう淹れればいいですか?」
お客様からお問い合わせがありました。
お答えになっているかわかりませんが、ちょうど雛祭りが近いこともあり、例えば桜餅に合うような淹れ方を書いてみます。ご参考になれば幸いです☆
合わせて美味しい!を考えるときはお菓子の甘さ(味の濃さ)と格がポイントになります。
桜餅みたいな餡子の多いお菓子には、濃い緑茶が合います。嗜好品なので人それぞれではありますが、濃いものには濃いお茶、軽いものには軽いお茶を選択するとあまり外れはありません。今回は冠茶をセレクト。(特上煎茶でも合うと思います。
旨み、甘み、渋みがあり爽やかさのある味わい、お茶の香り、美しい明緑色、複合的で立体的な、それらが全部欲しいときは、、、
一煎目、二煎目、三煎目と出し分けたものを混ぜちゃいます☆
↑下から一煎目、二煎目、三煎目。
色も違えば味、香りも違う!!
一煎目、二煎目、三煎目とお湯の温度と量を変えると、お茶の葉っぱから出てくる成分が変わるんです。
1.一煎目
お湯少なめ、ぬるい温度(60度くらい)で、急須に注いで1分ほど待って湯のみに注ぐ。
2.二煎目
一回湯冷まししたくらいのお湯(80度くらい)を急須に注いで一呼吸置いて湯のみに注ぐ。
3.三煎目
ポットから熱湯を急須に注いですぐ湯のみに注ぐ。お湯の量は増やしてOK。
例えば、ひとりぶん、茶葉スプーン一杯ほどとして淹れてみます。
急須に茶葉をスプーン一杯分くらい入れます。
湯のみにお湯を少なめに入れて冷まします。
湯冷ましがあればお湯のみと湯冷ましとうつしかえしながら温度を冷まします。※湯冷ましはご家庭にある器でもかまいません。
下から触って余裕で持てるくらいを目安に冷まします。
冷ましたお湯を注ぎ、1分待って湯のみに注げば、黄金色のお茶が!
飲むと旨みが凝縮されたお味がします。
二煎目、三煎目は温度を変えて淹れるのですが、
この味・色・香りの違いは、お湯の温度によって出てくるお茶の成分が変わることから違いが出ます。
低い温度でうまみを感じるアミノ酸、80度を超えると渋みを感じるカテキン、カフェインが出てくると言われています。
香りについては高温のほうが出やすいです。
それぞれが出やすい温度で入れたお茶を混ぜるとふくよかで立体的なお茶(=なんだか濃いお茶)なります。飲んでみて、渋みが多いほうがよければ三煎目の量を多くするなど、目安を参考に足し算引き算しながら試してみて下さい☆
なら初めから熱湯で淹れればいいのでは?と思うかもしれませんが、熱湯で淹れるとアミノ酸が引き出されないままで直線的な味になります。不思議なものですね(^_^;)
一煎目低めのお湯で淹れますと、葉っぱの持ちがよいです。冠茶で三煎淹れましたが四煎、五煎とまだまだ出そう。お茶も丁寧に扱えば力を発揮してくれますね。
一煎目で丁寧に淹れますと茶葉が開きますので、二煎目三煎目はすぐお茶が出ます。二煎目三煎目は、さっとお湯のみにお注ぎ下さい。
一番茶の上級煎茶、冠茶、手摘み茶などほど、アミノ酸が多く含まれているので、温度の出し分けが楽しめます。
それぞれの煎で楽しんでもいいですし、混ぜてもいいんです。
ご自身に合う味の探求のためにご参考にしていただければ幸いです。
では最後に茶葉のビフォーアフターを。最後まで読んでいただきありがとうございました。